2023/12/22 11:37
今から6年前、ラオスに訪れた時に一目惚れした布がありました。それは藍染めで何段階かの濃度に染め分けられた糸を使い、柄を織り上げているラオスの伝統的な布で、現地では女性が巻きスカートとして着用したり、部屋の敷物や壁掛けの装飾として生地の厚みによって使い分けられているもの。布を見つけたお店の人にその伝統織物をしている村の場所を訊ね、一目惚れの衝撃の勢いに任せてその地へ向かいましたが、途中で交通網が途絶えてその旅ではたどり着くことができませんでした。


綿がこんな風に植物に付いているのが今さらながら不思議

村を歩くと、家の軒先や高床の家の下で織っている女性たちを見かけました

収穫下綿を干して乾燥させた状態。まだ中には種が入っています。種を取り除いた後に弓で弾いてふわふわにさせるのですが、実際にやってみると意外と難しくて手が疲れました

次の糸を紡ぐ工程をしやすいように棒に巻きつけてまとめます。撚りながら糸にしていくのですが、実際にやるとこれもとても難しい!切れてしまったり太い塊になってしまったりして均一な一本になりません

この村では糸の状態でそれぞれの色に染めます
藍以外にもチェスナッツやマンゴーの葉など、植物で染められた色とりどりの糸
柄を数種類の色で織り分けるには、緯(よこ)糸一列を通す時にも「ここからここまでは薄めの藍色」「こっちからここの経糸までは濃い藍色」というように、通す際に分けなければいけません。その様子を見ていると、織るというよりまるで編んでいるよう。私も手紡ぎ、手織りの体験をさせてもらい、一見わけもなくやっているように見えるその工程の難しさを実感しました。

緯糸の色を使い分けながら編む様に織っていました

布や竹細工の入れ物、お米や野菜お肉などほとんど自分達で育てたもの